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軟弱地盤の見分け方

軟弱地盤の見分け方を理解するには、その概要を理解しなければなりません。そもそも軟弱地盤とは地耐力(地盤が荷重に耐えられる強さ)の弱い地盤のことを言います。具体的にどれくらいの地耐力だと軟弱地盤に該当するかは、工事の種類や規模などによって異なります。

見分けるポイント

軟弱地盤として判断され地盤改良が必要になるケースは以下の通りです。

  1. N値が4以下の軟弱粘性土の掘削
    (ヒービング防止、背面土圧の軽減、支持力の増強)。
    ※N値とは、地盤の強度を示す値。
  2. 地下水量の多い滞水砂・砂レキ土の掘削
    (ボイリング防止、土砂の流出、崩壊防止)。
  3. 地下水位以下の粒度組成の悪い砂質土の掘削
    (砂の液状化防止、土砂の流出、崩壊防止)。
  4. 被圧帯水層がある場合の深い掘削
    (盤ブクレ防止、受動土圧の増加)。

環境周辺による判別

地盤の軟弱度合いの見分け方には、地形の様子や周辺の植生などから推測する方法もあります。
たとえば、地盤を構成する土には砂質と粘度質があり、砂質の粒には均一性があり隙間が少ないのに対して、粘度質は粘り気があり隙間多いため圧力がかかると空隙内の水分や空気が外に出てしまい、変形しやすいという性質があります。

地盤状況 地盤としての良否 施工
目安
谷底平野、周辺が山で囲まれている、小川や水路が多く湿地帯や水田 かなり深くまできわめて軟弱 ×
扇状地、山地から平野部に抜ける間の傾斜面を有する扇状の地形、畑、果樹園 良質な地盤(ただし伏流水に注意)
自然堤防 現・旧河川の流路沿いの微高地(0.5〜3m)、昔からの集落がある畑 良質な地盤
後背湿地、自然堤防や砂丘の後ろにある水田 きわめて軟弱 ×
湿地、低地、排水不良地、湧水付近、旧河川、盛土をした宅地、荒地 きわめて軟弱 ×
河原、現河道の流路沿い、荒地、畑、水田 サンドイッチ構造 ×
デルタ、河川の河口部、起伏に乏しい水田 きわめて軟弱(液状化の恐れあり) ×
砂州、海岸、湖岸沿、林、畑、荒地、集落 液状化に注意
丘陵地、地表面が平坦な台地、宅地 良好な地盤
山地、山、切土等の造成地 地すべりに注意
崖、急斜面、造成地 がけ崩れ、地すべり ×

○ 適 △注意 ×対策工法必要

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耐圧による判別

地面の強さを地耐力といいます。この地耐力が建物の単位面積あたりの重量より小さいと建物は重さで沈下してしまいます。これを圧密沈下といいます。
全体が均一に沈下するのであれば構造的に問題はありませんが、地盤の強さにばらつきがある場合、建物は不揃いに沈下します。
これを不同沈下といい、建物にゆがみなどを生じさせ構造的な問題を引き起こします。
不同沈下を調べるための地盤の強度の簡易判別法として試験掘りで判断する方法があります。

地層の硬さ 素掘り 推定 推定許容地
耐力度
N値 (長期KN/m2
粘土層 極軟 鉄筋を容易に押し込むことができる 2以下 20以下  *1
シャベルで容易に掘れる 2〜4 30 *2
中位 シャベルに力を入れて掘れる 4〜8 50
シャベルを強く踏んでようやく掘れる 8〜15 100
極硬 つるはしが必要 15以上 200
地下水面上の
砂質土
非常にゆるい 孔壁が崩れやすく、深い足跡ができる 5以下 30以下 *2
ゆるい シャベルで容易に掘れる 5〜10 50  *2
中位 シャベルに力を入れて掘れる 10〜20 100
シャベルを強く踏んでようやく掘れる 20〜30 200
つるはしが必要 30以上 300

【注】
*1  過大な沈下に注意を要す。
*2  地震時の液状化に注意を要す。
*3  推定許容応力度をSI単位に換算。

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